最近、ビジネス記事なんかを読んでいると、エコシステムという用語を目にする機会が増えました。特定の業界という垣根がなくなってきたことが原因だそうです。
以前、翻訳業界は、例えば、お客さんと、翻訳会社と、翻訳者と、DTPオペレータと、製図オペレータと、印刷会社さんと、で形成されていました。現在、特に、大阪では、翻訳エコシステムは、ホテル、旅行会社さんなど以前翻訳業界には明らかに属していなかった企業さんを含めて形成されています。恐らくここに、鉄道会社、バス会社、レストラン、コンビニなんかも入ってくるでしょう(勿論、各駅にというわけではなく、本社という意味です)。
オンライン予約の成立及び対面販売をしないオンライン旅行会社さんの出現により、多言語への同時翻訳(同時通訳ではないです)が必要になりました。ユーザさんのコメントをほぼ同時に翻訳する必要があるからです。これらの会社さんの社内には、翻訳部門があります。翻訳会社に勤めていた方や翻訳者さんが勤務しているそうです(勿論、プロパーさんもいるでしょう)。
このように以前は、翻訳業界に属していなかった企業が今では翻訳業界に属するようになりました。昔の垣根はなくなっています。特に、大阪は、これからホテルの建設ラッシュが続きます。ホテル業界、旅行業界、翻訳業界で翻訳エコシステムが拡大されていくと思います。もし大阪で万博が開催されれば、翻訳エコシステムは巨大化すると思います。
大阪の場合は、ホテルだけではなく、百貨店、ドラッグストアの本社に翻訳部門が設立されても不思議はありません(百貨店、ドラッグストアの各店舗には翻訳者を常駐させることは不可能ではないとですが難しいと思います)。
僕は、以前から機械翻訳や新しいテクノロジーの到来によって翻訳者が失業することはないと断言してきました。機械翻訳により新しい仕事が発生すると信じてきました。新しい仕事が生まれるだけでなく新しい業界(エコシステム)までもが生まれようとしています。
人と機械とが共存できる新しい形態のエコシステムの誕生です。エコシステム内では、競争はありません。互いに助け合って成長していきます。自然界のエコシステムと全く同じです。
将来、名刺交換をしたとき、「私、~鉄道会社の翻訳事業部のマネージャーの◯◯と申します・・・」のようなシーンに出くわすのもそんなに遠くはないと思います。
2018年3月6日火曜日
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