2019年8月27日火曜日

機械翻訳活用事例(日英以外の言語)

機械翻訳処理をして、その後、ポスエディットを施すという一連の作業は、定番化しつつあると思う。それ以外にも機械翻訳は活用できるので、その事例をご紹介したい。

【独日翻訳のフローに英語翻訳者を起用する方法】

ご存知のように、ドイツ語から日本語への機械翻訳の出力結果は満足がいくものではない。ただしドイツ語から英語への機械翻訳の出力結果は、独日に比べると格段に良い。これを活用して、独日翻訳を完成させれば良い。

具体的には、独日の場合、ドイツ語翻訳者とドイツ語チェッカーの2名が必要である。ドイツ語翻訳者はそれほど多くないので、2名起用できない場合が発生する。これでは受注できないので機会損失である。

それを防ぐために、ドイツ語から英語に機械翻訳を行う。英語翻訳者がその英語を日本語にポストエディットする(精度さえ良ければ1日で8000ワードできる)。そのポストエディットの結果をドイツ語翻訳者が原文のドイツ語を参照してバイリンガルチェックを行う(2営業日ぐらいか?)。理論上、3日で終了している。なおこのバイリンガルチェックは、かなりの量の手直しが予想される。

もしドイツ語翻訳者を2名起用した場合、機械翻訳を一切使用しないとして、翻訳に2~3日、チェックに2日ぐらいだと思う。合計5日は必要なので上に示した方法の方が早いことが分かる。速度が同じだとしても、利点は、ドイツ語翻訳者が見つからなくても作業だけは開始できる(受注できる)ことだ。以上のような起用方法を用いることで機会損失が防止される。

ドイツ語を日本語に機械翻訳をかけて、それをドイツ語翻訳者がポストエディットをして、その後、訳文(日本語)だけに対してモノリンガルチェックを行う方法もあるが、この場合、原文(ドイツ語)の意味を分かっていない担当者がチェックを行うので、チェックし切れないケースが発生する。この問題も解決できるのではないか。

以上の活用事例は、100点満点ではないのは承知の上である。しかし機械翻訳を普通に使っていてもビジネスは成り立たない。うまく活用してサービスとしてご提供したい。

続く

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